昨今、ゲーマーではない一般層からも注目を集め始めてきたeスポーツ。最近ではTWT2019FINALでの日本人の活躍もあり、鉄拳に関しても徐々にその認知度・人気度が上がってきたように感じます。
一口にeスポーツといっても様々ですが、鉄拳のような格闘ゲームについては、初めてでも観戦しやすい・わかりやすいジャンルと言えるでしょう。残り体力が常にゲージで表示されているため優劣がわかりやすく、実況が盛り上がっている場面でゲージが大きく減る=大技が決まったということがわかるため、ゲームの深い理解がなくとも楽しむことができます。
それでも十分なのですが、多少でも鉄拳のシステムを知っておくとより観戦を楽しむことができるので、鉄拳のシステムはよく知らないという人向けに、観戦時に知っておくとよい内容をご紹介しましょう。
3すくみのジャンケンである
鉄拳の対戦においては、ほとんどの場面で次のジャンケンが発生しています。
グー :攻め。黙っている相手に攻撃を仕掛ける。
パー :置き。または暴れ。攻めてくる相手の出掛かりを潰すように技を出しておく。
チョキ:スカし。相手の置き技を回避して、その隙に技を叩き込む。
例えば、前に出て攻める(グー)に対しては置き技(パー)を出しておくと、相手の出掛かりを潰すことができます。
また、前にダッシュしたかと思えば下がる…というような行動をすることがありますが、これは攻め(グー)と見せかけて置き(パー)を誘い、スカし(チョキ)を狙うという高等テクニックです。
このジャンケンは各場面で正解はあれど、的確な技の選択ができるかどうか、言い換えればグーチョキパーがうまく決まるか、についてはプレイヤーの反応とテクニックにより左右されます。攻めの二択を通す力、置き技の打ち所、スカしからの反撃の早さ。この3すくみの駆け引きのうまさが対戦の見所です。強烈な技が決まったとき、どのような流れでその技が決まったのか?を見返すと面白いでしょう。
プレイヤーはコンボ始動技を狙っている
鉄拳の重要なシステムとして「空中コンボ」が存在します。鉄拳では空中に浮かされると無防備となり、着地するまで何もできず、その間に連続技を叩き込まれます。これをコンボ(空中コンボ)と呼びます。
そして、このコンボに持ち込むことができる技をコンボ始動技と呼びます。コンボが決まると体力の半分近くを奪うことができるため、先ほどの3すくみの読み合いの中で、どのプレイヤーも基本的にはコンボ始動技を狙っていると考えてよいでしょう。
強力なコンボ始動技ですが、反面、ガードされると反撃を受けたり、相手の攻撃にカウンターヒットさせる必要があったり、回避されやすかったりと、一定のリスクを背負っています。そのようにリスクのあるコンボ始動技を、読み合いの中で的確に決めた!というのが鉄拳の試合が盛り上がる瞬間です。
技がヒットしたら有利、ガードされたら不利
鉄拳では有利、不利という言葉をよく用います。それぞれ、以下の状況を表しています。
有利 → 相手より先に動けること
不利 → 相手の方が先に動けること
鉄拳では一部の例外を除き、基本的に技がヒットしたら有利で、技がガードされたら不利になります。有利をとった側は先に動けるため、先のジャンケンにおけるグー(攻め)を打つことができ、状況によりパーもチョキも潰せるほど一方的に攻めることができます。
技をヒットさせた方が続けて攻めることができる、技がガードされたら攻め手が入れ替わる、という流れで試合を追うと、「不利からあえて技を出した(暴れた)」などの動きがわかり、プレイヤーの読み合いや心理を紐解けることでしょう。
攻める時は中段と下段の二択
有利をとった側が攻める時、中段技と下段技を用います。中段は、しゃがむ相手にヒット。下段は、立っている相手にヒットします。成功率50%の二択になります。
2D格闘ゲームと違い、鉄拳においては中段技が強く作られています。ヒット時のダメージが高く、ガードされても反撃を受けないものが多数あります。対して下段技は中段技ほどダメージが高くなく、なおかつガードされると確実に反撃を受けます。よって基本は立ちガードとなるのですが、その中でどこに下段を差し込んでくるか、どこでしゃがむか…という読み合いが見所となります。
体力が少なくなるとレイジ状態に
体力が4分の1程度になるとキャラクターの体が赤く発光します。これをレイジ状態と呼び、全てのキャラクターが強制的・自動的に発動します。
この状態になると攻撃力が1.1倍になります。また、レイジ状態限定の強力な技を出すことができます。特に、キャラクターの体が青く発光する「レイジドライブ」がよく使われます。
キャラクター毎に性能は異なりますが大抵はコンボ始動技で、当たれば半分ないしそれ以上の体力を奪います。その上、ガードされても有利と破格の性能を誇ります。その代わり、打つことができるのは一度きり。打つとレイジ状態も消失します。
そのため、体力を大幅リードしている側は、相手がレイジ状態になると慎重な行動をとるようになります。願わくば、「レイジドライブを打たせてレイジを消失させたい」と考えるため、防御中心の行動になります。体力不利な側が、その中をどう攻略してレイジドライブを当てるのか、あるいはレイジドライブを盾にしながらどう攻めるのか。その読み合い・駆け引きが見所となります。
スローモーション演出が始まる「レイジアーツ」は、相手の技を受けても貫通して決めることができる必殺技。レイジアーツを出す側は「相手が技を打ってくる」ことを先読みして打ちます。決まれば、体力の半分近くを奪えるため大逆転。しかし相手が技を打っていなかった場合、レイジアーツはガードされて、反撃で確実にKOされることになります。
つまりレイジアーツはラウンドの勝敗が決する勝負手。毎回狙われるものではありませんが、打つ側は当たれば勝ち、外せば負け。相当の覚悟が要求されます。勝負所で打ったレイジアーツが決まる…!その読み合いと決断力が盛り上がるポイントです。
まとめ
・攻め/置き/スカしの3すくみになっている
・コンボ始動技がどのようにして決まるのかがポイント
・技のヒット/ガードで、有利/不利が入れ替わる
・攻める時は中下の二択になっている
・レイジ状態をいかに活用できるかが勝敗に繋がる
観戦において、鉄拳のシステムを深く知る必要はありません。
もちろん、深く知っていれば知っているなりの楽しみ方・見え方がありますが、観戦を楽しむという目的からすると、かける時間とのコストパフォーマンスが見合いません。
今回のような記事を読んで、内容あんまり覚えてないけど5分くらいかじりました、という程度で十分です。それだけでも、何も知らないより観戦は数段面白くなるでしょう。
よい格ゲーライフを。
これ本当思うんだけど、こう言うの伝えるのは実況の役割だよね。
でもこれをほとんど格闘ゲームに知らない人に伝えようとすると更に難しい。
ぶっちゃけ技名とかどうでも良くて、ここがどう上手かったとか、何を狙われてるとか印象的な技のフレーズとかを
伝えた方が普通の人にはわかりやすかったり、楽しめそうな気はするんだよな。
鉄拳わかってる人は実況の重要性は普通の人より低そうだし。
と思って最近たまに実況してますw
実況が誰向けにやってるのか、というと
鉄拳の大会等においてはコア・ファン層向けな印象ですね。
実際まだ、視聴者もそういう人しか見ておらずニーズに合っているのだとは思いますけど。
今年盛り上がったラグビーもそうで、詳しくなくても「競技」として楽しむ人が増えればいいので
一般層向けの実況って言うのも今後大事になってくると思いますし、
業界が先細らないために必要になってきそうですね。