吉光ブレードの打ち方は新しい時代に突入した

吉光の代名詞とも言える吉光ブレード(LP+RK)は発生6Fの中段攻撃である。鉄拳3から装備されたこの技は、その発生の早さから「不利からの返し技」として長年にわたり活用されてきた。

鉄拳5まではガード不能技だったが、鉄拳6でモーションが変わって中段攻撃となり、代わりに攻撃判定が若干前に出たことと、納刀状態からのブレードも装備されたことから、返し技のみならず確定反撃としての活用の幅が広がった。さらに鉄拳TAG2からは安定でフルコンボを決めることができるようになり、吉光ブレードのヒット率が勝率にそのまま結びつくような重要な技となった。そして、鉄拳7では迅雷剣も装備されて現在に至る。

この吉光ブレードの打ち方は先に挙げた通り「割り込み」あるいは「確定反撃」が基本であるが、吉光をやり込むにつれて、第三、第四の新しい打ち方が見えてくる。この第三、第四の打ち方を習得している吉光とそうでない吉光ではステージが1つ異なるとも感じており、実戦で決まる頻度からも、最近その大切さを実感しているところである。

では、その第三、第四の打ち方とはどのようなものなのか、これまでの打ち方も踏まえて見ていきたい。

※ちなみに、この内容は吉光界隈の一般論でもなんでもなく、私の勝手な持論なので悪しからず。

旧時代の打ち方

連携に割り込むブレード

基本のキ、である。例えば固有技であるポールの疾風ポンケンに割り込む、一美の無双に割り込む、あるいは連携潰しとしてワンツーヒット後のショートアッパーに割り込むなど、特定のポイントで割り込むブレード。

基本ではあるのだが、これを決めるには相手の技に割り込むための反応と、このポイントなら割り込めるという状況判断および知識・経験が求められる。何も考えずに打っても良いが技相性が色濃く出るので、相手の技を正確に読みながら打つことが理想的。研究するほど伸びしろがある部分で、キャラ対策に困ったら一旦このポイントを整理してみるのも良い。

咄嗟の不利フレームから最速で吉光ブレードを打つかどうかで吉光歴がバレたりする。

確定反撃としてのブレード

主には壁を背負った際に活用される確定反撃ブレード。あるいは、納刀時にブレード確定が多く伸びるキャラにはキャラ対策としての納刀・確反ブレード狙いもある。

このブレードは上記の割り込みブレード以上に、どの技に決まるのかという知識・経験が必要。納刀時は立ち途中LP+RKだと届かないがしゃがみWPだと届くなどかなり奥が深い。場合によってはスライド入力、ダッシュを挟むなど高度なテクニックを要求される場合もあるが、確定反撃がイマイチな吉光としては是非とも伸ばしたいポイントである。

置き技としてのブレード

旧時代の区分けに入れてしまったが、上記2つとは一線を画している打ち方。例えば、特殊ステップや前ダッシュでプレッシャーをかけられた際に、相手の出だしに割り込むようにブレードを放つ打ち方である。

このブレードは硬直からの最速行動ではないために状況が様々で、相手のタイミングをいかに読めているかということが鍵になる。要は、ブレードというのは相手の打つ技に対して呼吸を合わせればよいのだ。相手の行動をよく見ていないとこのブレードは打てないので、これが打てる吉光かどうかでステージの違いが存在すると感じている。

新時代の打ち方

置き技としてのスライドブレード

置き技としてのブレードについては既に述べたが、これは納刀の場合はややリーチがあるものの、抜刀の場合は短いために、相手が手を出していない限りはなかなか刺さらない。そのため抜刀の場合は密着状態を狙わないと基本的に使えない…のだが、ここでスライドブレードというアプローチがある。

例えば、以下は吉光戦における露払いに対して。普通のブレードでは露払いにカウンターをとれることはなく、もう少し近距離でないと届かない。

しかし、同じ距離でもスライドブレードならばカウンターをとることができる。

ただスライドとはいえ、少し前進して遅らせブレード打ってるのと同じではないか?と思われるが、スライドブレードの方が若干リーチが長いことは以下で証明される。

前進で密着まで距離を詰めても…
ブレードは当たらない
しかし、スライドブレードなら当たる

普段であれば相性の悪い技にもヒットする可能性があり、生ブレードとスライドブレードを使い分けるというのが見た目には中々わからない吉光の深いテクニックである。

横移動潰しとしてのブレード

もう一つ、ここまではいわゆる防御としての吉光ブレードだったが、攻撃としての吉光ブレードというアプローチもある。このブレードに関しては主に納刀状態の際に使うのが望ましい。ブレードとは言え、密着していれば当たる程度の判定はあり、8F中段なので前ダッシュで軸を合わせてから打つことができる。

これは昔、吹雪が発生7F中段だった頃にあった「前ダッシュを伸ばした吹雪が両横を追う」というテクニックに非常に似ている。このテクニックも結局吹雪は横に弱いが、前ダッシュで軸を合わせた上で発生の早い技を打つことで横移動を潰している。

例えば、以下はリリの3LPガード後の場面。

3LPガードでリリ側-1F
ジャブ系などを打ってもまず当たらない
しかし、同様の場面で…
前ダッシュで軸を合わせる
横に歩いていてもブレードが刺さる

前ダッシュは短いとブレードがスカる場合があるので、しっかり踏み込むことが大切である。このように打つと前ダッシュを含めたブレードの発生は20F程度となり、相手が動いたのを見てスカ確を振られていたとしても、発生で打ち勝てる確率が非常に高い。加えて、卍裏跳び蹴りなどとは違い高いリターンを得ることができるため、横スカし狙いに困った場合に狙っていける手段の一つとなる。

ちなみに抜刀時でも狙えなくはないが、スライド幅大きめのスライドブレードである必要があるので若干難しい。ブレードの当たりやすさは相手キャラに依存するので、体格が大きめのキャラクター相手に狙っていくとよいだろう。

スカ確としてのブレード

なんとスカし確定についても吉光ブレードが狙える。ここまで来ると置き技・暴れ・攻め・スカ確となんでもありの万能技で、半ばこじつけじゃないかと思われるところであるがこのスカ確ブレードは昔からeyemusician氏が活用しているスタイルである。

これは以前の記事に書いているので、具体例はそちらを参照されたい。

基本的に納刀を用いる。これが自然に狙えるようになれば現時点の吉光としては最高峰レベルのブレードの振り方をしていると考えてよいだろう。かくいう自分もまだその道半ばである。

まとめ

このように、吉光ブレードと一口に言ってもその活用の幅は広い。単に硬直から最速で打つかどうかだけの読み合いではなく、任意のタイミングで攻めに守りに活用することで戦術の幅、そしてリターンを得られる機会も増すだろう。

繰り返しになるが、結局のところは「相手と呼吸を合わせる」ということがブレードを活用する上での肝である。自分から二択を仕掛けに行きまくってもイマイチ効率の悪い吉光は、この合気道とも言えるような技術を特に磨く必要がある。つまるところそれはきちんと読み合いをするということである。丁寧に読み、そして時に大胆に暴れる。メリハリをつける、強弱をつける。そこに読み合いの洗練さと、実力としての強さが感じられるのだと思う。

ありがとうございました。

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